これらレアガスは、不活性で役に立たないと考えられた時期もありましたが、1907年に初めてネオンの工業的生産が開発され、その3年後には、初のネオン管によるイルミネーションがパリのグランド・パレスを飾りました。
その後、ネオンは、各種ランプに限らず、放電管やレーザー封入ガス、さらには極低温の冷媒としても利用されるようになっています。最近では、クリプトンはその熱伝導率が少ないことから、断熱・断音材への利用が開始され、キセノンは宇宙衛星用イオンエンジンの推進剤や医療用造影剤などに利用されるだけでなく、さらに麻酔用ガスとしての利用も研究されはじめています。
クリプトン、キセノンの工業生産も、1930年代には開始され、これらのガスも、ランプ製造に供されて以降、いろいろな用途に利用されるようになりました。
歴史の浅いガスですが、それだけに、その原子の持つ特異的な化学的,物理的特徴が有効に利用されるようになるのは、これからではないかと思われます。